専門実践教育訓練給付金を申請してみた:受講修了後の給付金の支給申請編(2024)
今回は、2024年度の専門実践教育訓練給付金の申請に必要な手続きと流れについて、備忘録として残そうと思います。制度について細かい解説はしませんので、私が実際に行った手続きを一事例として参考にしていただければ幸いです。
この記事のターゲット
雇用保険に加入している / していた期間がある方
専門実践教育訓練給付金をはじめて申請しようとしている方
専門実践教育訓練給付金の大まかな申請手続きの流れが知りたい方
専門実践教育訓練制度の受講修了後の給付金の支給申請
手続きの流れ
給付金の支給を受けるには、以下の3種類の届出を、自分の住所を管轄しているハローワークに行って手続きするか、e-Govから電子申請する必要があります。今回はその3番目の申請について解説しています。
専門実践教育訓練制度の受給資格確認の申請(1回のみ)
受講中の給付金の支給申請(講座期間が半年以上の場合は、半年ごとに1回必要)
受講修了後の給付金の支給申請(1回のみ)
ちなみに、「受講修了後の給付金の支給申請」の役割は、受給資格を確認済みの雇用保険被保険者が教育訓練を修了したことを証明し給付金を受け取るための手続きですので、「1. 専門実践教育訓練制度の受給資格確認の申請」が済んでいなければ申請できません。
なお、「1. 専門実践教育訓練制度の受給資格確認」については以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
手続きの方法
申請の方法は以下の2つがあります。
現住所を管轄するハローワークの窓口での申請(オフライン)
e-Govでの電子申請(オンライン)
この記事では、「2. e-Govでの電子申請(オンライン)」で申請した場合の説明になります。
現在では、「訓練前キャリアコンサルティング」はオンラインでも受講できるようになっているため、e-Govで電子申請すれば、ハローワークに行かなくてもすべてオンラインで申請が可能と思われます。
ただし、2024年時点でのe-Govによる電子申請の場合、申請提出時の必要書類のわかりづらさや、申請後に書類に不備があった際には申請を最初からやり直さなければならないことや、提出先の管轄署によっては人手不足などで審査の結果が出るまでに非常に時間がかかる(1ヶ月以上)場合もあるなどの使いづらさが目立ちますので、時間に余裕がない場合は不本意ながらその場で不備があれば窓口対応してもらえるハローワークでの提出をおすすめします。
具体的に筆者の環境で起きた電子申請の問題は以下のとおりです。
後述のe-GovアプリケーションはmacOSの端末(MasBook Air M1)に対応しているものの、申請を作成する際に原因不明のエラーが発生し、申請を作成できないという致命的な不具合が発生(その様子)
お知らせには解消済みと記載が ありますが、2024年11月1日現在筆者の環境ではいまだに再現している
そのため、筆者は不本意ながらWindows端末(デスクトップPC)からの申請作成を余儀なくされました
添付書類の作成に手間がかかる
フォーム入力ができない必要書類は添付する必要があり画像ファイルなどで用意しなければならないため、何らかのアプリケーションを使って様式に合わせて文字を入力するなどのレタッチ操作をして画像を作成するか、紙に印刷したものに記入して撮影するかの2択を迫られます。
前者は非常に手間に感じたので、筆者は手っ取り早く紙に印刷したものを撮影しました("電子"とは...)
申請にはe-Govアプリケーション上での「雇用保険教育訓練給付(専門実践教育訓練給付金[専門訓練給付金])の申請」のフォーム入力だけでは不十分で指定の書類ファイルの添付が必須となっているが、申請に必要な添付書類の種類・書式が申請画面内でわからないため自分で調べる必要がある
教育訓練の実施者が案内の書類を配布していたため添付書類の種類は大体わかっていましたが、最初に申請して3日後くらいに書類不備で返戻の連絡があり、揃えてから再申請するも、今度は前の申請では指摘されなかった別の書類の不備で返戻となりました。(一度の申請で全て指摘して欲しい...)
上記を解消し再度申請したところ、筆者は受講期間中に引っ越しをしておりハローワークの管轄が変わったため、別途以下の書類が必要とのことで書類不備で返戻となりました。
「様式33-2-6 教育訓練給付金受給者 氏名 住所 電話番号 変更届」と転居がわかる公的な証明書のコピー
受給資格確認申請後に氏名・住所・電話番号のいずれかが変更になった場合は、この書類に記入した画像ファイル等を添付する必要があります。(どうやって気づけばいいの...)
添付した書類ファイル(画像)が送信先の環境で開けないと返戻になる
申請画面に記述されている要件を満たした画像ファイルであっても、送信先の環境でファイルが開けないなどの理由で不備として処理されて返戻されてしまうことがあります。
何が原因で開けないかはわからない(教えてもらえない)ので、別の形式から変換したPDFファイルを使用しない、画像ファイルをjpgで保存して添付する、画像サイズを小さくする、ファイル名に特殊な記号や文字を使わずに短くシンプルにする、くらいしか対策が思いつきません。(どういうことなの...)
電子申請のステータスが審査となってから時間がかかる
筆者の管轄署では書類不備は3~4営業日ほどでチェックされて返戻が返ってきます。おそらく筆者の管轄署だと不備がないかのチェックだけ先に行っているのだと思います。
不備がない場合はそのまま審査中となりますが、筆者の場合は1ヶ月以上審査中のままであったため一度電話で問い合わせましたが、「書類に不備がないことは確認済みで受理されているものの申請が立て込んでいるため結果はもう少し先 になる」と言われたため、おそらく審査は管轄署のキャパシティによって前後するのだと思います。
厄介なことに教育訓練の給付金支給申請には申請期限が設けられている(修了後1ヶ月以内)ため、電子申請する場合は時間に余裕を持って行う必要があります。(つらい...)
体験した範囲だけでもこのような状況であったため、筆者としては2024年11月現在ではよっぽどな事情がない限り気軽に電子申請をおすすめできない次第です。上記に心当たりがある場合はハローワークまで行って申請された方がその場で不備を解消できる場合も多いので最終的にかかる時間は少ないかもしれません。
デジタル庁のみなさまにおかれましては、是非とも改善のほどお願い申し上げます。
e-Govでの電子申請の進め方
電子申請で書類を提出する際には、Webブラウザ上からはできず専用のアプリケーションをインストールした上で、アカウントを作成する必要があります。
インストールからログインまでの詳細な手順はe-Govの公式サイトの「利用準備」などから確認できます。
サイトには電子証明書の要否について書かれていますが、教育訓練給付金支給申請書は電子証明書は不要です。
ログイン後は、メニューの「手続検索」から「専門実践教育訓練」などのキーワードを入力し、「雇用保険教育訓練給付(専門実践教育訓練給付金[専門訓練給付金])の申請」を選択します。
選択すると申請を開始する画面になりますので、右下の「申請書入力へ」を押して進みます。
申請書入力画面では「申請者情報」と「連絡先情報」をそれぞれ入力する必要があります。内容はほとんど一緒ですが、申請者の情報と連絡先が異なる場合があるので別で設定する必要があるようです。
これ以降は必要書類と合わせて入力を完了していく形になります。
必要書類
専門実践教育訓練制度の受給資格確認の申請(2024年3月現在)に必要な書類及び情報は以下のとおりです。「1. 教育訓練給付金支給申請書」以外はすべて添付が必要です。
教育訓練給付金支給申請書
教育訓練給付金の受給資格者証
専門実践教育訓練最終受給時報告
専門実践教育訓練修了証明書
受講料納入の領収書
教育訓練経費等確認書(専門実践訓練版)
資格取得を証明する書類(履修証明書)
必要に応じて添付する書類(一部)
1. 教育訓練給付金支給申請書
電子申請の場合はフォーム入力する書類で添付不要です。2024年11月現在の実際の画面は以下のとおりです。
2. 教育訓練給付金の受給資格者証
受給資格確認の申請後にハローワークから自宅に届く書類です。
申請時の情報や必要事項が記載されている重要書類のため、これがないと話になりません。
写真やスキャナなどで画像ファイルとして保存し、添付します。
3. 専門実践教育訓練最終受給時報告
報告様式の書類で、受講した学校など用意してくれる場合もあります。
最新の様式は以下の厚生労働省の公式サイトからダウンロードできます。
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/kyouikukunrensaishuujukyuujihoukoku.pdf
印刷して記入したものを、写真やスキャナなどで画像ファイルとして保存し、添付します。
4. 専門実践教育訓練修了証明書
受講した学校など配布される書類です。
5. 受講料納入の領収書
受講した学校などから配布される書類です。
6. 教育訓練経費等確認書(専門実践訓練版)
報告様式の書類で、受講した学校など用意してくれる場合もあります。
最新の様式は以下の厚生労働省の公式サイトからダウンロードできます。
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/senmonjissenkyouikukunrennokeihitoukakuninsho.pdf
7. 資格取得を証明する書類(履修証明書)
受講した学校など配布される書類です。
8. 必要に応じて添付する書類(一部)
前述の通り、受講資格確認後に引っ越したなどの理由で申請時から氏名・住所・電話番号に変更がある場合は、別途書類の添付が必要になります。
住所変更の場合:転居がわかる公的な証明書のコピー(前住所が記載されている住民票の写しなど)
そのほかの関連する各種様式の書類は以下の厚生労働省の公式サイトから確認してください。