「ミーティングのデザイン」を読んで
ケビン・M・ホフマン著「ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド」を読んだので、自分なりの感想を備忘録としてまとめています。
書籍の紹介
「ミーティングのデザイン」は、ケビン・M・ホフマン氏によって執筆された書籍で、会議を「デザイン」するという視点から、会議のあらゆる側面を詳細に解説し、効果的な会議を実現するための実践的な方法論について書かれています。
本書では、会議を単なる情報共有の場ではなく、創造的なアイデアを生み出し、組織の目標達成を促進するための重要な機会と捉え、「会議をデザインする」という考え方を提唱しています。
会議の目的、参加者、議題、時間、雰囲気、視覚的な要素などを意識することで、より効果的な会議を実現し、組織の成長に貢献できるとしています。
書籍の構成と主な内容
本書は大きく2部で構成されており、それぞれ以下の内容を扱っています。
イントロダクション
第1部:ミーティングデザインの理論と実践
第1章:ミーティングをデザインする ミーティングをデザイナー目線で考えてみる。
第2章:ミーティングにおけるデザイン上の制約
人間の脳が課す制約のなかで効果を発揮するディスカッションをデザインする。
第3章:アイデア、時間に合わせてアジェンダを作る
どれくらいのタスクを取りあげるか、何人出席させるか、アジェンダにかかる時間はどれくらいか考慮する。
第4章:ファシリテーションによって意見の対立を乗り切る
一般的なファシリテーションの定義を基盤に、ものごとを前進させる建設的な意見の対立を見極める。
第5章:ファシリテーションの戦略とスタイル
しかるべき質問をするだけでファシリテーションが成功するケースがあるかどうか、ファシリテーターは状況に合わせて対応する。
第6章:よりよいミーティングがよりよい組織を作る
ミーティングは組織の文化と映す鏡だ、よりよいミーティングを通じてそれを評価し、新しい文化を打ち立て、変化を起こす。
第2部:デザインされたミーティング
第7章:プロジェクトの第一歩はミーティング 曖昧さを解消し方向性を打ち出すミーティングで、プロジェクト/プロセスを始める。
第8章:中間地点のミーティングで道筋を示す
プロジェクトが行き詰まっている、方向性を変える必要あるか、そんなときは、巧みにデザインされた議論を活用してリトリー・マッピングをする。
第9章:最後のミーティングで一件落着
継続的な成果と進化をもたらすミーティングで仕事を締めくる。
おわりに
所感
全体を通して、本書は会議を成功させるための実践的なHOWが紹介されており、これから会議を設計しよう、もしくは今行っている会議を改善したいと思っている方の足掛けにしやすい内容だと思いました。
会議は、組織において不可欠なものでありながら、多くの人が非効率さや時間の無駄を感じている方も多いと思います。具体的に何がそうさせて、それをどのように解決するかをケーススタディと合わせて説明されているので、現在自分が主催している会議のアジェンダと見比べてみながら色々試していくことができそうです。
以下は私の学びの一部ですが、もしピンとくるものがあれば手にとってみてはいかがでしょうか。
会議は、単なる情報伝達の場ではなく、参加者全員で創造的なアイデアを生み出し、組織の目標達成に向けて協力する場であると捉えること。
会議の成功には、目的が不明確、参加者が多すぎる、議題が漠然としている、時間管理ができていない、議論の進め方が悪いなど、会議が失敗する原因を特定した上で、事前の準備が重要であること。
目的の明確化、参加者の選定、議題の設計、時間厳守、議論の促進という5つのステップは、参加者に会議を円滑に導くための具体的なコミュニケーションのフォーマットとして有効であること。
環境やファシリテーターの振る舞いが会議の質に影響を与えるため、会議室の環境、参加者同士の関係性、ファシリテーターの役割などを意識することで、より活発な議論を促せること。
ファシリテーターは、参加者の意見を尊重し、議論を活性化させる役割を担っており、会議後のフォローアップは、会議の成果を最大化するために重要であること。