Config 2023で発表されたFigmaの新機能まとめ
今回は2023年6月22日に開催されたFigmaが主催するイベント「Config 2023」で発表された、Figmaの新機能について概要を紹介します。
#Config2023 launches bridge the gap between design and development, all in Figma.
— Figma (@figma) June 21, 2023
→ Dev Mode, a new space for developers
→ Variables
→ Advanced prototyping
→ Auto layout updates
→ Font picker
→ File browser redesign
Plus, we previewed the future of Figma with AI and… pic.twitter.com/Gmv0Bz2BN7
この記事のターゲット
Figma Config 2023で発表された内容をざっくり知りたい方
1. Dev Mode(開発者モード)の追加
#Config2023 発表その1:開発モード
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
デザインをコードに素早く変換するための機能を備えた、開発者のためのFigmaの新しいスペースです。
詳しくは、https://t.co/KjebfhVL6eをご覧ください。
開発モードの使い方は以下の通りです👇。 pic.twitter.com/dDRmPqwtu9
主にエンジニアリング向けの、画面レイアウトのコーディングに必要な情報に特化した新しいビューモードが追加されました。
🏃♂️ 素早くコーディングに取り掛かる
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
開発モードは、デザイン用のブラウザ・インスペクタのようなものです。
ファイルをナビゲートしてコード、仕様、デザインシステムのドキュメントを簡単に見つけることができ、より速くビルドを開始できます。https://t.co/pYDb89nLRK pic.twitter.com/959oCAMoyv
また、開発者とデザイナーの悩みの種である「どれがFIXした画面なのか」問題を解決するのに役立ちそうなステータス管理機能も追加されています。
👀 デザインのステータスや変更を常に把握
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
開発者は、セクションラベルで開発準備中のものを確認できるようになりました。これにより、フレームのバージョン間の変更を比較しやすくなり、ビジュアルや仕様のわずかな違いも見つけやすくなります。 pic.twitter.com/B3gW2Qzzxy
Jira、Storybook、GitHubと連携するためのプラグインへも簡単にアクセスできるようになっています。
🛠 毎日使用するツールとの連携を維持
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
Jira、@storybookjs、@GitHub などのツールを開発ワークフローに統合したり、組織用のカスタムプラグインを構築できます。
また、ビューアクセスでプラグインを使用できるようになりました。 pic.twitter.com/LjfxGhUbfc
そして、VS CodeでFigmaからコードを参照することができるプラグインも登場したことで、デザインデータをエンジニアがより参照しやすくなるため、デザインとエンジニアリングの精緻な連携がしやすくなります。
👩💻 VS CodeにFigmaを
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
VS Code 用の拡張機能によりアプリを切り替えることなく、デザインに基づくコードのサジェストで、より速く作業を進められます。
→Figmaファイルのインスペクト
→デザイナーとのコラボレーション
→エディタ上の通知https://t.co/R8cgwyJqcW pic.twitter.com/K2QveuZAMj
以下の公式ページでも各種機能が紹介されていますので参考にしてください。
https://www.figma.com/ja/dev-mode/
利用条件
2023年内はどのプランでも無料で試用できます。2024年からはプロフェッショナルプラン以上であれば編集者(Editor)は標準で利用でき、閲覧者(Viewer)の場合はビジネスプランで1シート/月につき$25、エンタープライズ プランでは$35のオプション課金になるようです。
2. Variables(バリアブル)の追加
#Config2023 発表その2:バリアブル
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
変数を使用して、さまざまなブランドテーマやデバイスフォーマットなど、適応可能なデザインを作成できるようになりました。また、変数はトークンとしてエクスポートできます。
👇 バリアブルの実際の操作をみる pic.twitter.com/ZQWPutRb32
色やサイズなどの値(デザイントークン)を変数(Variables)としてMode(モード)別に値定義することで、フレームで指定したModeに応じてVariablesが適用されたコンポーネントのスタイルを自動的に切り替えられる機能です。
実用例としては、以下が挙げられます。
UIコンポーネントのダークモード・ライトモードの切り替え
PC・SPでのレイアウトの切り替え(レスポンシブ対応)
共通コンポーネントでのブランドテーマの切り替え
言語別にビューを切り替え(多言語対応)
🌈 変化への対応
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
変数には色、数値、文字列を指定することができ、複数のモードで異なる値を持つことができます。ライトモードとダークモード、その他諸々が可能です。https://t.co/Eev2xohGFB pic.twitter.com/bNYyogIQqE
📏 別次元(Another Dimension)のデザイン
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
数値の変数を使用すると、幅/高さ/パディングなどに適用して、異なるレイアウトを実際に切り替えることができるようになりました。 pic.twitter.com/JFzlwycwNg
🌎 ワンクリックでローカライゼーション
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
また、文字列の変数を使えば、複数の言語のコンテンツを取り込んだり、入れ替えたりと、本当にグローバルなデザインを実現できます。 pic.twitter.com/0QY4X3X7tE
これまではコンポーネントのバリアントを追加するなどして都度切り替える必要がありましたが、変数を指定しておくことで自動的に適切なスタイルを適用できるため、バリアントによる運用コストを削減するのに役立ちそうです。
また、エンタープライズプランではREST APIが利用できるようです。
👩💻 API で本格的に
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
デザインシステムをスケールアップするためのAPIドキュメントを更新しました。
👉 Variables プラグイン API: https://t.co/LPnPYSUbd3
👉 Variables REST API(ReadとWrite、Enterpriseプランのみ): https://t.co/03k2Nf55E4 pic.twitter.com/BIrwRfi8wK
利用条件
現在はオープンベータ版として全プランで利用可能。ただし、無料プランではModeが1つのVariableを1つまでしか追加できず、デモのような機能を十分に利用するにはプロフェッショナルプラン以上が必要です。ビジネス・エンタープライズプランだとより拡張された機能を利用できます。
3. 高度なプロトタイピング機能の追加
#Config2023 発表その3: 高度なプロトタイピング
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
より少ないステップ/フレーム/接続で、よりリアルなプロトタイプを作成するための新機能を追加しました。
より少ない作業で、より多くのイテレーションが可能になります。
👇 プロトタイピングの良さに飛び込もう pic.twitter.com/MlpnAzrC6M
プロトタイプの機能が拡張されたことで、より少ないフレームで様々な挙動や制御を表現できるようになりました。
まず、Variablesがプロトタイプでも利用できるようになり、遷移の動的な条件分岐などの複雑な処理が設定できるようになります。
🄧 バ リアブル再び
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
今日、デザインだけでなくプロトタイピングにも使えるバリアブルを発表しました。バリアブルを使用することで、「バリアブルを設定」という新しいアクションタイプのロックを解除することができ、インタラクションがよりダイナミックになります。https://t.co/0co7Fq8GFN pic.twitter.com/C1ufnjrC7D
具体例として、シンプルな加算・減算といった数値計算のアクションが実現できるようです。
➕ 自分を表現する
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
変数の作成と割り当てができるようになったので、足し算や引き算のように「バリアブルを設定」アクションで式を使うことで、1フレームにさらに多くのアニメーションを詰め込むこともできます! pic.twitter.com/5f26i1b1xk
また、「A=XならばB」「A=YならばC」といった遷移の条件分岐を画面遷移を複製してパターン化しなくても組むことができるようになります。
☝️ もし条件分岐があれば
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
複数のアクションを作成することができ、その上よりカスタマイズ可能なフローを作成するために条件分岐でインタラクションを作成できるようになったので、とても便利です。 pic.twitter.com/rwr5ikpvLC
これらの制御を同時に実現したデモが以下のようです。
🤩 すべてを一緒に見る
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
これらのアクションをすべて積み重ね、新しいインラインプレビューを使用して、デザインとともにプロトタイプをプレビューすることで、反復し続けることができます。 pic.twitter.com/h26BKxbpxo
利用条件
プロフェッショナルプラン以上で利用できるようです。
4. Auto layout(オートレイアウト)の折り返し、最大・最小サイズの指定
#Config2023 発表その4:オートレイアウトのアップデート
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
3つの言葉: Wrap、min、max—そうです、手動でサイズを変更する時間を減らし、よりレスポンシブなコンポーネントやレイアウトを作成する時間を増やしましょう。
👇 以下が新機能です。 pic.twitter.com/Y7hR08HcHA
Auto layoutで念願の折り返し(Wrap)と最大・最小サイズの指定ができるようになりました。
Wrapでは、Auto layoutで中のコンテンツをフレームの幅に合わせて折り返すことができるようになります。
🎁 これを理解しよう(Wrap your head around)
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
オートレイアウトのコンテンツは、新しい行への折り返し機能により、自動的に整列された行(または列)に収まります。https://t.co/7SP5Pyd7EN pic.twitter.com/gmT2j2RI6l
また、最大長・最小長を設定することで、フレームをそれ以上またはそれ以下の大きさにならないように制御を加えることができます。
設定できる場所は、フレームの「W」「H」をマウスオーバーするとキャレットが表示されるのでクリックすると、「最小幅を追加」「最大高さを追加」といったオプションが設定できます。
📏 大きいだけ、小さいだけ
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
内包または拡大を使用したオートレイアウトのコンテナについて、最小および最大の幅と高さを設定できるようになり、プロダクト要件に沿った縦横比など、コンポーネントの標準化が向上しました。 pic.twitter.com/yLG9pvuC6c
折り返し(wrap)の対応(CSSでのflex-wrap相当)
最大長の対応(CSSでのmax-width、max-height相当)
最小長の対応(CSSでのmin-width、min-height相当)
利用条件
どのプランでも利用できます。
5. フォントピッカー に書体のプレビューが追加
#Config2023 発表その5:フォントピッカー
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
使用する前に、Figma でフォントをプレビューできると便利だと聞いていました 😅 これからはどんな場面でも完璧なフォントを選ぶことができます。https://t.co/Osa51HBQTe pic.twitter.com/C2PIYcrPf9
フォントを選択する際に、そのフォントの書体名がその書体を適用した状態でプレビューされるようになりました。そのフォントがどんな見た目なのかを確認する手間が省けるので便利ですね。
利用条件
どのプランでも利用できます。
6. ファイル検索とナビゲーションの改善
#Config2023 発表その6:ファイルブラウザのリデザイン
— Figma Japan (@FigmaJapan) June 21, 2023
デザインを一新し、検索機能を強化しました。新しい共有プロジェクトとファイルタブでは、他者のファイルを見つけられます。
検索、履歴、通知にはアカウント全体のコンテンツが含まれ、スペースを切り替えずに探しだせます。 pic.twitter.com/yOYn4JvrDF
複数のスペースに参加している場合、スペースを切り替えなくてもグローバルにフ ァイル・チーム・メンバー・コミュニティ上のファイルを検索できるようになったようです。
履歴や通知も全てのスペース上のものが一元的にアクセスできるようになりました。
利用条件
どのプランでも利用できます。
その他:AI機能について
FigmaがAIでデザインを支援するツールを開発しているDiagram社を買収したことも発表されました。今後は公式のAI機能が追加されることが予想されます。
以下は同社のGeniusという機能をデモしている様子のようです。
Just unveiled at #Config2023: The first-ever demo of Genius by @diagram, now part of the Figma team. pic.twitter.com/0KxQViOz64
— Figma (@figma) June 22, 2023
続報に期待ですね。
いかがだったでしょうか。
各機能の詳しい使い方については、気が向いた時にまとめたいと思います。
また、ここで紹介した機能は以下のPlaygroundファイルで実際にチュートリアル形式で触れるようになっているようですので、気になる方は試してみてください。