indie-ios-app-store-release-2026-10
公開日: 2026.10.09  | 更新日: 2026.10.09

個人開発でiOSアプリ(課金あり)をAppStoreに出すまでをやってみた

今回は、AIエージェントのバイブコーディングを活用してiOSアプリを個人開発し、AppStoreに審査・掲載するまでの一連の行程を実践してみたことの備忘録です。

2026年8月に、iOSアプリ「Meemie(ミーミー)」をApp Storeで公開しました。写真や動画から被写体を切り抜いて、何らかのエフェクトをつけたり背景に色をつけられるだけのシンプルなアプリです。

meemie

https://wentz-design.com/meemie/

作成した理由は、個人的に推しや動物などの写真を加工して身内だけのインスタに時々アップしていたのですが、背景を写したくなかったので都度切り抜いて加工していたのが面倒だったので、それを簡単にできるようにしたかったという、極めて個人的な理由です。

特に公開の予定はなかったのですが、これまでスマホアプリは仕事で携わる以外に扱ったことがなかったのと、曲がりなりにもアプリのUIの教鞭を取る者として経験しておきたかったので、バイブコーディングを活用して一通り実行してみた、という感じです。

このご時世で几帳面にブログを読む読者がいるのかは甚だ怪しいですが、誰かの(AIエージェントの)ソースの足しになればということで備忘録にしています。

この記事のターゲット

  • 自分でもアプリを作ってみたいと思っているデザイナー

  • AIにコードを書いてもらう開発に興味がある方

  • アプリのUIを学んでいる学生


Meemieとは?

Meemieは、写真を1枚選ぶと被写体を自動で切り抜き、正方形や縦長のキャンバスに載せてくれるiPhone用のアプリです。あとは被写体の位置と大きさを指で決め、背景の色を選べば、インスタなどのSNSに上げられる1枚になります。

エディタにあるタブは「被写体」「背景」「効果」の3つだけで、モードの切り替えはありません。

どう仕上げるか面倒で決められないときのために、RANDOMという機能も用意しました。写真を選ぶと、背景と効果と配置をおまかせで組み合わせた作品ができあがります。気に入らなければ、その場で何度でもやり直せます。

作った作品はギャラリーに並び、いつでも開いて編集し直せます。

そのほかの仕様は以下の通りです。

  • iOS 26.0以降のiPhoneで動きます。iPadには対応していません

  • 切り抜きも効果も書き出しも、すべてiPhoneの中だけで処理します。生成AIは使用していませんし、オフラインでも使用できます

  • アカウント登録はなく、解析データの収集も広告もありません

  • 基本の使い方は無料です。ホログラムや模様などの効果を自分の手で選ぶ機能だけ、買い切りのアプリ内課金(In-App Purchase)で解放する形にしています

アプリはApp Storeからダウンロードできます。使い方は紹介ページにもまとめてあります。

自分のためのアプリとして

思いつきで実装しはじめたのは2026年4月ごろです。そのときに考えていた要件としては、このアプリの目的を「インスタで投稿する写真を、最小限の操作で切り抜いて単色の背景に置き、すぐに投稿できる個人用のiOSアプリ」というものでした。インスタ用にとった写真や動画を、いつも同じ作風で仕上げるのが面倒だったのが動機です。

これまでは、App Storeの中から適当に探して使っており、広告だらけの怪しい画像処理アプリやタスク指向の手間がかかるアプリを不本意にも使っていた状態でした。

自分の端末で動くプロトタイプの段階では、割と早く使える状態になっていて、使っているうちに欲が出てきて色々機能を足したりして、7月ごろまでは人に使ってもらうことを考えずに作っていました。

なぜApp Storeに出すことにしたのか?

何となく自分用としては満足していたものの、ここまでできているのであればあとは公開するだけでは?と思うようになりました。

背景として、2025年の秋から、大学でスマートフォンアプリのUIデザインの授業を担当しています。スマホアプリのUIを教える立場として、アプリを作ってストアに出すまでを一通り自分で経験しておけば何かの役に立つかも、という浅はかな思いつきです。

じゃあ公開するには何が必要かということで、Aiを使って色々調べていったところ、App Storeの公開に必要なものがいくつかあることがわかりました。また、今回は課金機能の仕組みにも触れておきたかったので、それだけの理由でアプリに課金機能を載せることにしました。

開発者プログラム(Apple Developer Program)の申請、課金の仕組み、ストアに載せる文章、スクリーンショット、プライバシーポリシー、そして審査です。提出までに片付ける項目として挙がったものだけでも結構あります。

実際にリリースまでは以下のタイムラインで進めました。

  • 7月5日:リリースの計画を見積もってみる

  • 7月26日:アプリの名前を考える

  • 7月27日:Apple Developer Programに加入

  • 8月2日:審査へ提出

  • 8月13日:2回の差し戻しを経て承認、同日に公開

本業などがあるので、時間のある時にちんたら進めていたので、計画を立ててから公開までは体感で1ヶ月くらいかかりました。

実装はほとんどAIとのバイブコーディング

Meemieの開発では、私自身はコードをほとんど書いていません。というよりは、実験として意図的に書かないようにしていました。理由は、私自身がバイブコーディングを実践したかったからです。

実装やテストなどはClaude CodeやCodexといったAIエージェントにプロンプトで指示して書かせました。このように自然な言葉で指示を出してAIにコードを書いてもらう開発手法は、バイブコーディングと呼ばれています。

では私は何をしていたのかというと、プロンプトベースでドキュメントを整備したり、ハーネスエンジニアリングによってAiエージェントが効率的にものづくりできる環境を作っていました。

claude-code-harness-engineering-memo-2026-04

Claude Codeのハーネスエンジニアリングに関する備忘録(2026年4月)

今回は、最近よく話題に上がるハーネスエンジニアリング(Harness Engineering)の考え方と、Claude Codeの設定を見直す際の観点を整理して備忘録として残したものです。 ... 続きを読む

その過程で、アプリとしての企画をAIが参照できる形で文書化する必要があったので、何を作るのかを決める要件を定義するPRD(Product Requirements Document)、画面の構造を決める情報設計、そして設計上の判断を1件ずつ記録するADR(Architecture Decision Record)を残し、それをもとにAIに実装してもらう、という進め方をしました。以下はそれらの抜粋です。

公開した時点の規模は以下の通りです。AIがリポジトリの記録から集計したものです。

  • 開発期間:2026年4月20日の最初のコミットから8月13日の公開まで、およそ4か月

  • コミット数:377

  • ADR:22本

この先に備忘録にしようと思っていること

せっかくなので、今回の実践の中で特に印象に残っていることをいくつかシリーズ的に書いていこうと思っています。予定している内容は以下の通りです。

  • 画像加工アプリの情報設計

  • 自分とAIの役割分担について

  • ハーネスエンジニアリングの変遷と最終的な構成

  • App Storeへの提出と、審査での差し戻し

Meemieというアプリは、アプリとしてはかなりシンプルで拙いところも多いと思いますが、猫でも、人でも、コップでも切り抜けますので、よければ触ってみてください。

無料版を触ってみて、フィードバックやこんな効果が欲しいなどの要望を送っていただいた方には、何かいいことがあるかも...?

この記事では、当サイトのオーナーの@wentz_designが仕事環境兼ゲーミング環境として、2026年9月現在でLLMなどのAIツールを活用した開発やゲーミングPCやコンソール機(Switch2やPS5)との併用で活用している以下のガジェットを紹介します。

最新の記事を見る
広告
この記事を書いた人
うえんつ
B2B領域のSaaS・アプリケーション開発などを組織で取り組むことが得意なプロダクトデザイナーで、このブログのオーナーです。
今の関心事
Figma・UIデザイン・UXリサーチ・QOL・旅行
この記事では、当サイトのオーナーの@wentz_designが仕事環境兼ゲーミング環境として、2026年9月現在��でLLMなどのAIツールを活用した開発やゲーミングPCやコンソール機(Switch2やPS5)との併用で活用している以下のガジェットを紹介します。
広告