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公開日: 2024.10.18  | 更新日: 2024.10.18

WSDレポート16:ワークショップデザインにおける問いの作り方

この記事は、青山学院大学大学院主催のワークショップデザイナー育成プログラムの課題として、動画形式の講座を受講して筆者個人の考えをまとめたレポートです。今回は「ワークショップデザインにおける問いの作り方」について書いています。

2024年度第1期ワークショップデザイナー育成プログラム(青山学院大学大学院)を受講します

今回は、筆者の個人的な活動の話になりますが、青山学院大学の2024年第1期(通算42期)ワークショップデザイナー育成プログラムに出願し、受講することにしました。 ... 続きを読む

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問いの機能と領域

必要な情報を手に入れるために「その問いが本当に機能するのか?」を疑うことが、問いを作る上で重要であり、そのために問いの機能と領域について整理された図が印象に残っています。

問いを、質問する側が回答を「知っている」「知らない」ものと、回答者が回答を「知っている」「知らない」ものを組み合わせた4象限で分類されており、質問する側が「知っている」問いは、正解を答えてもらうためのティーチングを行うための問いであり、質問者が「知らない」問いは、質問者が学ぶためであったり、お互いに学び合うための問いであるように感じました。

この4象限は、問い自体の設計を考える上で補助線になると考えますが、特にワークショップ中に問いかけを行う際に、あえて回答者に「この問いはDの意図で訪ねています」のように提示することで、質問者の意図や回答の期待値を伝えるのに活動できると思いました。

思考する領域を意識した問い

「思考する領域を意識する」とは、自分が期待する解像度の回答を得るには、問い自体にも具体的な期待値を織り込んだものにする必要がある、ということだと理解しました。具体的には、「主体・時制・数字・動詞・修飾語など2~3つほど加えると思考の領域がフォーカスされる」とされており、これはワークショップデザインにおける「適切な制約によってワークの難易度やフィット感をマネジメントする」ことと本質は同じであるように感じました。

問いの種類として、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分けについても説明されておりましたが、私自身の経験からもオープンクエスチョンは、制約が少ないがゆえに自由回答の難易度が高く、解像度の低い抽象的な回答になりやすいこととも一致しており、そのコントロールの匙加減としては、5W1HやORIDといったフレームワークを活用して「敷居が低く、天井は高い」問いを目指すということなのだと思いました。

問いかけのフレームワーク「ORID」

振り返りでの深いリフレクションとして機能する問いを検討するフレームワークとして「ORID」というフレームがあることを初めて知りました。このフレームワークは、Step1「Objective Question」、Step2「Reflective Question」、Step3「Interpretive Question」、Step4「Decisional Question」の4段階で構成されており、それぞれ事実確認、内省、解釈の確認、決定や適用に紐づいているとされています。これはコルブの経験学習モデルの学習サイクルとも一致しており、経験から段階的に学びを得るメンタルモデルと親和性が高い手法だと感じました。また、「なぜ」のような解釈を確認するような質問を準備のできていない回答者に求めると、経験や内省が不十分で言語化が引き出しづらかったり実際に私も回答しづらい経験があり、その段階として適切な問いなのか?を確認するのに役立つと思いました。


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うえんつ

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B2B領域のSaaS・アプリケーション開発などを組織で取り組むことが得意なプロダクトデザイナーで、このブログのオーナーです。
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