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公開日: 2024.11.01  | 更新日: 2024.11.01

集団で互恵的な関係を生み出すための足掛け行為としての「ワークショップ」

この記事は、青山学院大学大学院主催のワークショップデザイナー育成プログラムの参加を通じて、筆者が考える「ワークショップ」に対する考え方を述べたものです。

2024年度第1期ワークショップデザイナー育成プログラム(青山学院大学大学院)を受講します

今回は、筆者の個人的な活動の話になりますが、青山学院大学の2024年第1期(通算42期)ワークショップデザイナー育成プログラムに出願し、受講することにしました。 ... 続きを読む

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ワークショップとは、集団で互恵的な関係を生み出すための「足掛け」行為である

ワークショップとは、参加者同士が対話や共同作業を通して新たな気づきや学びを得るための場であると考察し、ワークショップが集団で互恵的な関係を生み出すための「足掛け」となることを、発達の最近接領域や正統的周辺参加といった理論に基づいて説明します。そして、ワークショップデザイナーが、ワークショップを設計する際に重要な要素である、プログラム、ファシリテーション、リフレクションについて具体的な事例を交えて解説していきます。

ワークショップにおける「足掛け」の概念

ワークショップは、参加者が共同で目標達成を目指す過程において、単に知識を伝える場ではなく、互いの考えや経験を共有し、新たな価値を創造する場でもあります。このプロセスを円滑に進めるために、ワークショップは「足掛け」としての役割を果たします。「足掛け」とは、参加者が目標に到達するための補助的な役割であり、発達の最近接領域や正統的周辺参加といった理論で説明することができます。

発達の最近接領域

ヴィゴツキーの発達の最近接領域の理論は、人が一人でできることと、支援があればできることの間にギャップが存在することを示しています。ワークショップでは、このギャップを埋めるための「足場かけ」を提供することで、参加者が新たな知識やスキルを習得できるよう支援します。

正統的周辺参加

レイブとウェンガーの正統的周辺参加の理論は、人が社会的な実践共同体の中で、熟練者から知識やスキルを学び、最終的には自らも熟練者となる過程を説明しています。ワークショップは、参加者がこのプロセスを体験できるような場を提供します。

ワークショップデザイナーの役割

ワークショップデザイナーは、ワークショップという手段を用いて、参加者が目標を達成できるよう支援する専門家です。ワークショップデザイナーは、参加者の状況や目標に合わせて、適切な「足掛け」を提供する必要があります。

ワークショップ設計の3つの要素

ワークショップを設計する際には、以下の3つの要素が重要です。

1. プログラム

プログラムは、ワークショップの全体的な流れを設計する段階です。参加者の目標達成を支援するために、以下の点に注意する必要があります。

  • 活動の流れのマッチング:

    学習目標と活動目標を明確にし、両者が整合するように設計する。

  • 参加の保証:

    すべての参加者が安心して参加できるよう、共通体験や易しい活動から始める。

  • 参加の増幅:

    グループワークや即興的な活動を取り入れることで、参加者の協調性を高める。

2. ファシリテーション

ファシリテーションは、ワークショップを進行し、参加者の議論や活動を円滑に進める役割です。ファシリテーターは、以下の点に注意する必要があります。

  • 人と活動のフィット感:

    参加者の特性や活動の難易度を考慮し、適切なファシリテーションを行う。

  • 場の観察:

    参加者の様子や場の雰囲気を注意深く観察し、必要に応じて介入する。

  • 働きかけ:

    参加者の理解を深めるための適切な質問やフィードバックを行う。

3. リフレクション

リフレクションは、ワークショップ終了後に、参加者やファシリテーターが自身の経験を振り返り、学びを深めるプロセスです。ワークショップデザイナーは、リフレクションを促進するための仕組みを設計する必要があります。

まとめ

ワークショップは、集団で互恵的な関係を生み出すための「足掛け」となる手法です。ワークショップデザイナーは、発達の最近接領域や正統的周辺参加といった理論に基づいて、参加者が目標を達成できるよう支援する必要があります。プログラム、ファシリテーション、リフレクションの3つの要素を効果的に組み合わせることで、質の高いワークショップを設計することができます。


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この記事を書いた人
うえんつ

うえんつ

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B2B領域のSaaS・アプリケーション開発などを組織で取り組むことが得意なプロダクトデザイナーで、このブログのオーナーです。
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