WSDレポート14:コミュニティデザインを学ぶ
この記事は、青山学院大学大学院主催のワークショップデザイナー育成プログラムの課題として、動画形式の講座を受講して筆者個人の考えをまとめたレポートです。今回は「コミュニティデザインを学ぶ」について書いています。
1. 地域でワークショップを行う際の自分のスタンス
地域でワークショップや話し合いの場(コミュニティ)を作 る場合、自分自身が地域のことをよく知っておくべきということはわかりますが、いろいろな方の事例を見ていると、元も地元で地域に理解がある人がコミュニティづくりをしているケースが多いと感じていました。
あるテーマのコミュニティにおいて、その地域であるかどうかが主題でない場合は、どの地域であるかは重要ではないため、必要とされていることをその地域で取り組む上では「自分がその地域のことを一番知らない人として会いに行き、地域のことを教えてもらう」というのはシンプルかつ地域にとっての協力者としてのスタンスも明確になるので目から鱗でした。
これは地域だけでなく、企業内の他の組織や他社など文化や様式が異なる組織内で交流する場においても応用できる考え方だと感じました。
2. コミュニティとネットワークとチームの違い
なんとなくわかるようで使い分けが難しい概念だと感じていたので、動画内での整理は自分にとって理解しやすく人にも伝えやすいと感じました。
特にネットワークとコミュニティの違いは外から見ているだけでは難しく、開かれているのかそうでないのかもよくわからないことが多いので、その違いかしらと思っていた時期もありましたが、ネットワークは「お互いを知っている状態」でコミュニティは「協力するための関係性、信頼関係がある状態」と整理すると、開かれているかどうかは問題ではなく、その中で起きている関係値の情勢具合をさしているという整理で腹落ちしました。
その上で、ネットワークの関係からコミュニティ関係へと醸成し、「行動が生まれる状態」を目指すことがコミュニティづくりなのだと理解しました。
3. コミュニティの中での信頼の作り方
コミュニティの中で「行動が生まれる状態」にするためには信頼を作ることが重要という話がありました。
その中で「質の高いコミュニケーション」と「相手に貢献するといい働きかけ」が信頼をつくるということで、それこそ対話や関係値を醸成し互恵的に学び合う手法の一つとしてワークショップが有効であるように感じました。
ただし、あくまで手段の一つであり、例えばお酒が好きな人が集まるコミュニティであれば「飲み会」などもその手段の一つなのだろうと思いますが、信頼づくりに重きを置きすぎて人や手段が固定化してしまうと、どうしても同質化が進んで「慣れた」先の「固定化」につながるため、学びほぐしの意味でも、コミュニティの本質を広げてつなげていくためにも、ネットワークによって新しい人との出会いが必要なのだろうと思いました。