figma-how-to-use-auto-layout
公開日: 2023.02.17  | 更新日: 2023.07.09

Figmaのオートレイアウトの基本的な使い方

今回は、Figmaで要素を繰り返し整列できる「オートレイアウト(Auto layout)」の基本的な使い方を、シンプルな画面レイアウトを実際に作りながら紹介します。また、この記事内で作成した画面レイアウトのサンプルファイルを公開・配布していますので、自由にご利用ください。

オートレイアウト機能は非常に奥が深く、この記事ではすべてを網羅せずに代表的な使い方に絞って紹介します。より高度な使い方については別の機会に紹介しようと思います。

ちなみに、この機能は他のツールで言うと、Sketchでの「Smart layout」、Adobe XDでの「リピートグリッド」に相当する機能として読み替えていただくと理解が早いかもしれません。

この記事のターゲット

  • Figmaでオートレイアウトの最も基本的な使い方を知りたい方

  • オートレイアウトを使ってシンプルな画面レイアウトを作成したい方


オートレイアウトの基本的な考え方

Figmaには、複数の要素をまとめる概念として「フレーム」や「グループ」があります。

オートレイアウトは、指定した「フレーム」の中に存在する要素を単一方向(縦・横)へ規則的に並べるためのルールを設定できる機能です。

規則的に並べるための設定を組み合わせることで、フレーム内に要素を追加すると自動的にルールに従ったレイアウトができるようになる、というのがオートレイアウトの特徴です。

オートレイアウトの使い方

以下では、カードビューが一覧表示されるような画面レイアウトの作り方を例に、オートレイアウトの使い方を手順ごとにデモ形式で紹介していきます。

1. オートレイアウトを適用する

整列させる要素にオートレイアウトを適用する手順は次のとおりです。

  1. 整列させる要素をすべて選択する

  2. 選択状態で右クリックし、メニューから「オートレイアウトの追加」を選択

これで、選択した要素が「オートレイアウトが適用されたフレーム」にまとめられた状態になります。

デモでは、画像・タイトル・ディスクリプションの要素をひとつのカード形式にまとめたレイアウトを作成しています。

auto-layout1

2. オートレイアウトの並べ方の規則を設定する

オートレイアウトが適用されたフレームを選択すると、右プロパティに「オートレイアウト」というセクションが表示されます。

このセクション内で並べるための規則を設定できます。基本的な項目は次のとおりです。

  • 並べる方向の指定(縦・横)

  • 並べた時の要素同士の間隔(Marginなど)の指定

  • 並べた時の要素のアラインの指定(上下左右・中央)

  • フレームに対する余白(Paddingなど)の指定(上下左右)

以下のデモは、カードの見た目に近づけるために並べる方向、要素同士の間隔、フレームに対する余白の項目を設定している様子です。

auto-layout2

また、フレームには塗り(Fill)や線(border)を指定することもできるので、カードっぽい見た目に調整します。

auto-layout3

エフェクトでシャドウ(box-shadow)やぼかし(blur)をつけることもできます。

auto-layout4

2023年6月に追加されたオプションの折り返し(Wrap)を使うことで、フレームの幅に合わせて内包されるコンテンツを自動的に行で折り返すことができるようになりました。

Figmaのオートレイアウトで折り返しできる「Wrap」の使い方

今回はFigmaのオートレイアウト(Auto layout)の機能のひとつである折り返し(Wrap)の使い方を紹介します。これにより、アプリケーションなどの画面レイアウトで横幅が成り行きで決まる場合に自動で折り返しされるようになるため、レスポンシブ対応などで便利です。 ... 続きを読む

figma-auto-layout-wrap

3. オートレイアウトが適用されたフレームを、さらにオートレイアウトでまとめる

カードの見た目ができたところで、今度はこのカード自体を整列させていきます。

まず、カード自体を再利用していくためにコンポーネント化をします。

コンポーネントとは、コンポーネント(親)を複製したインスタンス(子)は親子関係にあり、コンポーネントの変更をインスタンスに反映することで効率的に管理できる機能です。

インスタンスをいくつか用意したら、それらをまとめて横にオートレイアウトを追加します。

ちなみに、オートレイアウトはShiftキー + Aのショートカットでも適用できます。

auto-layout5

次に、カードリストとセクションタイトルのテキストをまとめて縦にオートレイアウトを追加します。

auto-layout6

これで、タイトル付きカードリストのレイアウトができました。今度はこれをさらに複製していき、ページを構成するレイアウトを作成していきます。

タイトル付きカードリストをさらに複製し、ページタイトルのテキストとまとめて縦にオートレイアウトを追加します。

auto-layout7

これで、ページタイトル付きのセクション別カードリストのレイアウトができました。余白はジャンプ率なども考慮して適宜後から調整することもできます。

4. 他のコンポーネントと組み合わせてオートレイアウトでまとめる

画面レイアウトの仕上げとしてナビゲーションと組み合わせてオートレイアウトを適用していきます。

まず、サイドメニュー(オートレイアウトで作成)を用意し、ページタイトル付きのセクション別カードリストのレイアウトと横にオートレイアウトを追加します。

そして、ヘッダー(オートレイアウトで作成)を用意し、サイドメニュー付きページタイトル付きのセクション別カードリストのレイアウトとまとめて縦にオートレイアウトを追加します。

auto-layout8

ここまでくるとフレームの入れ子がかなり深くなりますが、私が画面レイアウトを作成するときも基本的にこれくらい深くなります。

HTMLの構造も基本的に入れ子構造で「ネストが深い」なんて言ったりしますが、これと似ていますね。

最後に、全体のフレームに対して背景色(白)を追加し、余白を調整していきます。

デモでは、右横と下の余白が無いのが気になるので、オートレイアウトのフレームに対する余白を個別に指定しています。

デフォル上下・左右でまとめて指定するようになっていますが、右側にある角のない四角のアイコンをクリックすると展開されて、上・下・左・右がそれぞれ指定できるようになります。

そして、ヘッダーが左によっているので、フレームに対して「コンテナに合わせた拡大」という指定をしてフレームの横幅に合わせて伸縮するようにしています。これはオートレイアウトの機能というより「フレーム」自体の考え方の理解が必要になります。

auto-layout9

追記:オートレイアウト内のコンテンツを幅で折り返す方法

この記事の執筆後に、オートレイアウトの新機能に「折り返し(Wrap)」が追加され、幅に合わせて中のコンテンツを自動的に行で折り返すことができるようになりました。詳しい使い方は以下の記事を参考にしてください。

Figmaのオートレイアウトで折り返しできる「Wrap」の使い方

今回はFigmaのオートレイアウト(Auto layout)の機能のひとつである折り返し(Wrap)の使い方を紹介します。これにより、アプリケーションなどの画面レイアウトで横幅が成り行きで決まる場合に自動で折り返しされるようになるため、レスポンシブ対応などで便利です。 ... 続きを読む

figma-auto-layout-wrap

この記事で作成した画面レイアウトのサンプルファイル

この記事で作成したオートレイアウトを使った画面レイアウトのサンプルファイルを Figma Community にアップロードしていますので、そちらから自由に複製(Duplicate)できます。

オートレイアウトを使った画面レイアウトのデモ | Figma Community

私用・商用問わずご自由にご利用ください。

auto-layout-demo

この記事を読んだ方におすすめの記事

Figmaのコンポーネント機能の基本的な使い方

今回は、Figmaの最も基本的な機能の一つであるコンポーネント(Component)の使い方を解説します。コンポーネントの使い方を知っているのといないのとでは、デザイン作業の効率が数十〜数百倍変わってくるほど非常に重要な機能です。 ... 続きを読む

figma-how-to-use-component

Figmaで汎用的なUIコンポーネントを作る方法

今回はFigmaで汎用的なUIコンポーネントを作る方法をいくつか紹介します。この記事の方法では、プラグインなどは利用せずにFigmaの基本機能のみで作成できます。実際のサンプルデータもあわせて用意しているので、参考にしてみてください。 ... 続きを読む

figma-how-to-design-ui-components

Figmaでおすすめの写真・画像加工のTipsまとめ

今回はFigmaで写真や画像を加工するときにおすすめの方法を目的別に紹介します。Figmaの基本機能でできることから無料のプラグインを使用する方法など、当サイトでも人気の解説記事をまとめましたので、参考にしてみてください。 ... 続きを読む

figma-plugins-for-image-processing


最新の記事を見る
広告
この記事を書いた人
うえんつ

うえんつ

X a.k.a Twitter
B2B領域のSaaS・アプリケーション開発などを組織で取り組むことが得意なプロダクトデザイナーで、このブログのオーナーです。
今の関心事
Figma・UIデザイン・UXリサーチ・QOL・旅行
広告